こんな海外ドラマを観るつもり<2022年8月>と実話系ドラマの話

 こんにちは。ブログ「海外ドラマパンチ」の管理人のサイモンです。本名ではありません。日本人です。こうやって毎月、観たいと思っている海外ドラマを書いているのですが、別にここに書いたものを全部観ているわけではなく、書いていないものをいきなり観ることもあります。もちろん。趣味ですから。だから、これはただのメモなのです。2022年8月に気になっている海外ドラマは以下の通り。

 

新作

『バリー』シーズン3 U-NEXT 8月3日全話?

『ベター・コール・ソウル』シーズン6 Netflix 8月19日まで毎週火曜

『メモリアル病院の5日間』ミニシリーズ Apple TV+ 8月12日より毎週金曜

『ザ・オールドマン~元CIAの葛藤』シーズン1 Disney+ 8月17日全話

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン1 U-NEXT 8月22日より毎週月曜

『ウエストワールド』シーズン4 U-NEXT 8月26日全話?

 

 動画配信サービスの普及によって、海外ドラマは週一ではなく一気見するような視聴方法が定着するのかなと思いましたが、最近はむしろ週一配信する作品が増えています。MCUなどのヒーロー系ドラマとApple TV+作品は、ほぼすべて週一配信ですよね。その方が、SNSでも盛り上がりやすいんでしょう。

 

 『ベター・コール・ソウル』ファイナルシーズンは、残り3話。『ブレイキング・バッド』『エル・カミーノ』と続いてきたアルバカーキ・サーガは、ついに終わりを迎えます。楽しみすぎてシナボン投げそう。この前、実際に食べてみたら甘すぎてツラかったので、本当に壁に投げつけちゃうかも。

 

 今月はHBOも熱いです。まずは、ダークコメディドラマ『バリー』のシーズン3。海外での評判は今シーズンも絶好調なので期待しています。8月22日からは待望の『ゲーム・オブ・スローンズ』の前日譚『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』が始まります。もちろん楽しみ。さらに、その翌週にはSFドラマ『ウエストワールド』シーズン4も配信スタート。前シーズンでの一般評価は決して芳しいものとは言えませんでしたが、自分はまだまだ見捨てていません。楽しみにしています。

 

 気になっているのはApple TV+のリミテッドシリーズ『メモリアル病院の5日間』です。ハリケーン・カトリーナの被災病院で行われた「命の選別」をめぐる出来事が描かれるそうです。この事件は『アメリカン・クライム・ストーリー』の新シーズンで扱われると言われていましたが、その企画はボツになったので、別の新作ドラマで扱われることになります。

 

先月観たドラマ

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実話系ドラマの面白さと課題

 最近、実話をベースにしたドラマをいくつも観ています。「事実は小説より奇なり」という言葉がありますが、それを見せてくれる実話ベースのドラマは面白いです。ここ2ヶ月間で観た実話系海外ドラマと、その基になった出来事を並べてみます。

 

『ドロップアウト~シリコンバレーを騙した女』

 医療テック企業セラノスの詐欺事件。

『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』

 アメリカのオピオイド危機の始まり。

『キング・オブ・ストンクス』

 金融テック企業ワイヤーカード社の粉飾決算事件。

『アンダー・ザ・ヘブン 信仰の真実』

 モルモン教の母娘殺害事件。

『クラーク・オロフソン』

 スウェーデンの銀行強盗クラーク・オロフソンの半生。

『ナルコス』

 コロンビアの麻薬戦争。

 

 Netflixの『ナルコス』以外は、すべてリミテッドシリーズ(1シーズンで完結するドラマ)です。それもそのはず。実話が基になっている場合、視聴率が良かったからといってストーリーを無理に引き延ばすことはできません。近年は、ドラマの作品数が急激に増えていますが、その中でもリミテッドシリーズの増加率は特に高いため、実話系ドラマは増えているのでしょう。

 

 実話系ドラマといえば、実在の殺人犯を扱ったものが最もよく作られています。『アメリカン・クライム・ストーリー』『マンハント』『マインドハンター』『ザ・サーペント』『DES デス』などなど。社会問題を扱った『ボクらを見る目』『スモール・アックス』『アンビリーバブル』『チェルノブイリ』などもあります。最近はIT企業を扱った『WeCrashed~スタートアップ狂騒曲~』『ビリオンダラー・コード』なども作られています。

 

 実話ものは実在の犯罪者を主人公にすることがよくあるのですが、その際にどうしても気になってしまうことが一つあります。そのようなドラマが作られることで、犯罪者本人が調子に乗ることはないんでしょうか?

 

 ドラマになるような犯罪者の場合、自分に注目されるのが大好きなタイプがいます。『令嬢アンナの真実』のアンナ・デルヴェイはまさにそうですし、『ザ・サーペント』のシャルル・ソブラジもそんなところがあります。この人たちはまだ存命なので、自分の半生がNetflixでドラマ化されることを知っています。そうなれば、必然的に彼らへの注目も集まり、彼らは大喜びするわけです。これ、ムカつきません?

 

 なので、実話ものなら犯罪者は犯罪者らしく描いてほしいと思うのです。その点『クラーク・オロフソン』は上手かった。彼は銀行強盗でありながら、超プレイボーイで派手な日々を送っており、多くの人々が手に入れたいと願うような暮らしをしています。ドラマでも、そんな楽しそうな日々が描かれているのですが、それだけではありません。クラーク・オロフソンが誰を傷つけ、何を失ってきたかも描かれています。そのため、たとえクラークの生活に憧れるとしても、クラークという人間には憧れないわけです。

 

 ドラマなので、主人公が犯罪者であっても、視聴者がその人物に共感できるようなストーリーになっている方が面白いです。一方で、その人物が憧れや尊敬の対象になるのも、あまり好ましいとは思えません。事実として、彼らは凶悪な犯罪者なのですから。そのことさえ視聴者に再認識させてくれれば、たいていの視聴者は理解してくれるはずです。あなたがサイコパスのシリアルキラーでない限りは。