偏愛映画20本について気ままに書き散らす

 いつも海外ドラマの話ばかりなので、今回は映画の話をします。ドラマより先にハマったのは映画でしたし、今でも月に10本弱ぐらいは映画を観ています。映画について書きたいなと思うこともしばしばあるのですが、映画ブログというのは星の数ほどあるので、自分が書いたところで新しいことを書けないなと思っていつも諦めてしまいます。

 

 でも、今回はそんなことは気にしません。誰が読んでくれるのかはわかりませんが、個人的に偏愛している映画の話を適当にしていきます。気ままに書いているだけなので、一貫性はありません。

 

 

2010年代の青春映画

 まずは『レディ・バード』から。初めて観たときにどストライクでハマりました。高校3年生が進路や友情や恋愛に悩むという青春映画の鉄板みたいな設定ですが、キラキラした青春なんかじゃなくて、田舎の退屈な日々にうんざりしている青春なのがリアル。皮肉っぽい主人公のキャラクターも自分は大好きです。

 

 自分が『レディ・バード』を観たのは、大学に入って半年ぐらい経った頃でした。田舎から都市部で一人暮らしを始めてしばらく経ち、その頃はちょうど教習所に通っていました。そのせいでめちゃくちゃ主人公と自分を重ねてしまい、終盤の展開はとても刺さった。映画は、人生のどのタイミングで観たかによって面白さもだいぶ変わってきますが、『レディ・バード』は自分にとって最適のタイミングで観ることができました。

 

 もう1本偏愛している青春映画が『エイス・グレード』。全く社交的ではなくて、YouTubeもやってるけど誰にも注目されていない8年生(義務教育最後の年)の物語です。日本でいえば中学3年生くらいの話なのですが、それでYouTubeとかInstagramとかを使いこなしているのは今っぽい。ただし、この映画は別にSNS批判の話ではありません。とても内向的な性格のティーンエイジャーがいかにして自己を肯定していくかという物語とでも言いましょうか。

 

 自分自身は、ここまで内向的だとは思わないのですが、人と話すのがさほど得意ではないこともあり、ところどころで共感。主人公がシャイな性格でも頑張ってコミュニケーションを取ろうとしているのですが、似たような経験があって痛々しさが伝わってきます。でも、これもリアルな青春です。

 

 偏愛というほどではないですが、最近観たソフィア・コッポラ監督の『ブリングリング』も面白かった。淡々としていて、ともすれば味気なく感じる世界観は、むしろ現代のミレニアル世代にこそ響くのではないでしょうか。現代のティーンエイジャーは以前と比べれば関係が希薄で、友達どうしでもあまりベタベタすることはありません。『ブリングリング』に登場する若者たちもそんな感じで、一緒につるんで盗みをしたりするけど、さほど親密そうには見えません。

 

 今はSNSがあるので有名人との距離感は妙に近くなっていますし、そんな現代では、ふらっとセレブの家に入って盗みを繰り返す行為は共感さえしてしまいます。『ブリングリング』は、今の時代に改めて再評価してみても良いかも。

 

 青春と言えるのかはわかりませんが、大学生たちが主人公のインド映画『きっと、うまくいく』もとても好きな映画の一本です。この作品は結構有名だと思うので、ここでの紹介は省きます。

 

サスペンス映画の傑作

 インド映画繋がりで紹介したいのが『盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~』。ほとんど知られていない映画だと思いますが、ここ10年のサスペンス映画の中では最高傑作に挙げたいほどの逸品です。

 

 内容やあらすじは、ほとんど何も知らずに観てもらうのが一番良いでしょう。二転三転する展開は全く予想が付かず、ブラックジョークも効いていて最高。いわゆるインド映画らしいダンスシーンはないものの、陽気で楽しい音楽が映画を盛り上げています。

 

 音楽が良い映画って良いですよね。小学生の頃に観た『ブルース・ブラザーズ』も大好きな映画です。黒いスーツ、黒い帽子、黒いサングラスには今でも少し憧れています。古めの名作ということなら『フレンチ・コネクション』も好きな映画。ジーン・ハックマンがカッコいいと思ったことはありませんでしたが、この刑事はカッコ良かった。

 

 90年代の『グッドフェローズ』や『L.A.コンフィデンシャル』などは言うまでもなく名作ですが、今観てもやっぱり面白い。純粋に面白くて、ハリウッド映画の面白さを改めて感じさせてくれます。最近は、なかなかこういった映画はないような気がします。

 

 タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は犯罪映画に入るでしょうか。殺人犯のチャールズ・マンソンが出てますし。この映画は、ハリウッド黄金期の現場が描かれていて、その雰囲気がとても良かった。上映時間が3時間ありますが、本当は10時間でも観ていられます。

 

 近年のクライムものだと、日本では劇場公開されなかった2019年の映画『クイーン&スリム』を挙げておきたい。Black Lives Matter運動を背景にした、理不尽な要求をしてきた警官を誤って射殺してしまった男女2人の逃避行の物語。力強いメッセージもそうですが、映画自体がものすごくカッコいい。

 

ハリウッド大作の役割

 偏愛映画の話をしているのでインディー系の映画の紹介が多くなっていますが、大作映画もそれなりに観ているつもりです。Marvel映画も全体の7割ぐらいは観ているでしょうか。中でも『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は本当に面白かった。ヒーロー映画といえど、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』と『マイティ・ソー』などは全然作風が違う作品であるはずなのに、それらがすべて1本の映画としてまとまっていることに驚きます。

 

 近年の大作の中では、2021年に公開された『DUNE/デューン』は本当に素晴らしい。ストーリーがどうこう以前に、ハリウッド映画ならではの予算をふんだんに使いまくった映像が凄い。圧巻です。最新技術を駆使できるのはハリウッド大作映画の特権です。しかも、デュニ・ヴィルヌーヴはその映像の使い方を完全に理解しています。壮大なスケールをそのまま感じさせてくれるのは、もはや快感です。

 

コメディ映画は素晴らしい

 コメディ映画は、あまり注目されにくい気がします。特に、映画評論家などはコメディ映画の話をしないような印象があるのですが、コメディの中にも優れた作品はいくらでもあります。

 

 例えば、エマ・ストーンが主演した『小悪魔はなぜモテる?!』は名作として語り継がれるべき映画です。ダサい邦題のせいで興味が湧かないかもしれません(原題はEasy A)が、凄く笑えるし面白い。ゾンビコメディの『ゾンビランド』も傑作。エマ・ストーンが最近これほど高く評価されているのは、コメディの経験が豊富だからです。『女王陛下のお気に入り』も半分コメディですから。

 

 エドガー・ライト監督の『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』にはハマりました。コミックをそのまま映像化したような映画で、音楽もネタもストーリーも全部面白かった。何度でも観ていられます。

 

 最近一番笑った映画は、韓国の『エクストリーム・ジョブ』でしょうか。へまばかりしている刑事チームがチキン屋の潜入捜査をする話です。あらすじから面白そうな雰囲気がありますが、本編はその10倍面白いです。笑いが止まらないし、見終わったら爽快な気分になれます。最高の映画です。

 

最後に

 話の流れで触れられなかった偏愛映画をもう少し語ります。ジェシー・バックリー主演の音楽映画『ワイルド・ローズ』には触れておかなければいけません。何かやっても上手くいかない主人公の物語は共感してしまいます。ジェシー・バックリーのエネルギーあふれるカントリーソングも実に良い。

 

 最近は、もっとホラー映画を観ていこうかなと思っています。つい先日、『ヘレディタリー』を観たのですが、めちゃくちゃ怖かったです。ちょっとブラックジョークっぽい演出もあって面白かったです。

 

 映画館では、今はあまり観たいものがないんですよね。7月には『リコリス・ピザ』を観に行きたいと思っています。『DUNE Part 2』も完成したらすぐにIMAXで観に行きます。何年後になるかわかりませんが。

 

おしまい